経営者が抱える「デジタル資産」とは

〜見えない資産が会社の命を左右する〜

「デジタル資産」という言葉を聞くと、
「パソコンのデータのこと?」と思う方も多いかもしれません。
しかし実際には、それだけではありません。
経営者が日々扱うデジタル情報の中には、
会社の信用・お金・仕組みを支える“見えない資産”が数多く存在します。


■ デジタル資産は「経営の心臓部」

今や、ほとんどの企業がオンラインで業務を行っています。
銀行口座の残高確認も、見積書の発行も、広告運用もすべてデジタル。
つまり、会社の活動は「デジタル資産」によって成り立っているのです。

これらの資産は形がないため、
紙の契約書や現金のように“存在が見えにくい”のが特徴。
そのため、万一のときに「どこに何があるのか」が分からず、
大きな混乱を招くケースが増えています。


■ 経営者が持つ主なデジタル資産一覧

経営者が個人で管理しているデジタル資産には、次のようなものがあります。

【1】金融関連のアカウント

  • インターネットバンキング
  • クレジットカードや電子マネーの管理画面
  • 会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)
  • 請求・決済サービス(Square、STORES、BASEなど)

これらは「お金の出入り口」です。
もしログインできなければ、資金移動も経理処理も止まります。


【2】業務システム・クラウドツール

  • Google Workspace、Microsoft 365
  • Dropbox、Chatwork、Slack、LINE WORKS
  • 顧客管理(CRM)や販売管理、勤怠管理システム

社内情報や顧客データがここに集約されています。
IDやパスワードが不明になると、
事業そのものが動かなくなるリスクがあります。


【3】WEB・SNS関連の情報

  • 会社ホームページの管理画面(WordPressなど)
  • ドメイン・サーバー契約(お名前.com、Xserverなど)
  • Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
  • Facebookページ、Instagram、X(旧Twitter)などのSNS

これらは「会社の顔」にあたる部分です。
経営者本人のアカウントに依存しているケースが多く、
継承できなければ集客の導線がすべて途絶える危険があります。


【4】デジタル契約・権利関係

  • 電子契約書(クラウドサイン、DocuSignなど)
  • 特許・商標の電子出願データ
  • デジタルコンテンツ(写真・動画・デザインなど)の著作権

これらは会社の信用・ブランドを守る重要な資産。
しかしクラウド上にしか保存されていない場合、
アカウント停止で失われる可能性もあります。


【5】AI・広告・分析関連

  • Google広告、Meta広告、LINE広告などの運用アカウント
  • Googleアナリティクス、Search Console、Looker Studio
  • ChatGPTやCanva、NotionなどのAI・生産性ツール

これらの設定・データは、会社のノウハウの塊です。
「誰が、どのツールを使っているのか」を
見える化しておかないと、再現不能になります。


■ デジタル資産が「リスク資産」になる瞬間

デジタル資産は便利な反面、
一歩間違えると「ブラックボックス」化します。

たとえば、

  • 経営者だけがパスワードを知っている
  • 社員が退職して、アカウント情報が不明
  • 契約更新の通知が本人メール宛で届かない

これらの小さな管理ミスが、
事業停止や情報漏えいといった大問題に発展することも。
まさに、デジタル資産=経営リスクそのものなのです。


■ まとめ:デジタル資産の「見える化」こそ経営者の責任

デジタル資産は、財務や人材と同じく会社の重要な経営資源です。
だからこそ、次の3つのステップで管理を始めましょう。

  1. すべてのアカウントをリスト化する
  2. 共有・引き継ぎ体制を整える
  3. 定期的にアップデートする

「社長しか知らない情報」を減らすことが、
会社を守り、社員や家族を守る第一歩になります。

デジタル資産を“整理すること”は、
経営者としての最後の仕事ではなく、
“今を守る経営の仕組みづくり”です。

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