今から始める「経営者のデジタル終活」

〜会社を止めないための“3つの見える化”〜

デジタル化が進んだ今、企業の多くの業務はクラウドサービスやオンラインアカウントに依存しています。
経営者が突然不在になった場合、デジタル情報がブラックボックス化し、会社全体がストップしてしまう危険性があります。

こうしたリスクを防ぐために必要なのが「経営者のデジタル終活」です。
これは「死後の準備」ではなく、**会社を守るための継続計画(BCP)**の一部と考えるべき作業です。

ここでは、今日から始められる3つのステップを紹介します。


■ Step1:デジタル資産の棚卸しをする

まずは“何がどこにあるか”をリスト化する

最初に行うべきは、会社で使用しているデジタル資産の洗い出しです。
経営者が管理している情報は、想像以上に多岐にわたります。

  • 銀行・クレジットカードのオンライン口座
  • 会計ソフト(freee/MFクラウド)
  • Google Workspace / Microsoft 365
  • 顧客管理ツール(CRM)
  • ホームページの管理画面、ドメイン・サーバー
  • Googleビジネス、SNSアカウント
  • AIツール(ChatGPT、Canva、Notionなど)
  • 各種サブスク・有料ツールの契約情報

まずはExcelやスプレッドシートで
「サービス名・URL・ID・用途」を一覧化するだけでOKです。

これだけでも、会社のデジタル情報がどれほど散らばっているかが見えてきます。


■ Step2:ログイン情報と権限を整理する

“社長だけが知っている”状態をなくす

デジタル終活で最も危険なのが、
重要アカウントのパスワードを経営者しか知らない状態です。

これを防ぐために、次の仕組みを整えましょう。

● 権限を複数名に分散する

銀行口座・クラウドツールなどは、
「サブ管理者」「閲覧のみ」などの権限設定が可能です。

経理担当者、後継者、システム担当者など
最低2名以上に権限を割り当てることで、
どちらかが不在でも業務が止まらない体制が作れます。

● パスワード管理ツールを導入する

1Password、Bitwarden、KeePassなどを活用すれば、
ID・パスワードを安全に保管・共有できます。

経営者が管理すべきは
「ツールにログインするための1つのマスターパスワード」
だけになるため、管理が大幅にラクになります。


■ Step3:緊急時の引き継ぎ方法をまとめておく

デジタル版「もしものノート」を作る

最後に、緊急時の対応を書き残しておくことが重要です。
紙でもデジタルでも構いません。

  • ログイン情報がどこに保存されているか
  • 契約更新が必要なサービス一覧
  • 会社のデジタル資産の所在
  • 引き継ぎの優先順位
  • 誰に何を任せるか

いわば「デジタル版のエンディングノート」です。

これは死後だけでなく、
病気・事故・長期入院など、
“誰にでも起こりうる事態”に備えるものです。


■ デジタル終活は、今日から始めれば間に合う

デジタル終活というと大げさに聞こえますが、
実際は「今の業務を止めない仕組みづくり」に他なりません。

中小企業に多い
「パスワードは社長の頭の中だけ」
という状態を改善するだけでも、
会社の安全性は劇的に高まります。

今日のうちにできる小さな一歩は、次のどれかです。

  • デジタル資産を20個だけ書き出してみる
  • パスワード管理ツールを1つ導入してみる
  • ドメイン・サーバー契約の名義を確認する
  • SNSやGoogleビジネスの管理者を追加する

どれか一つでも始めれば、それは立派な「デジタル終活」です。


■ まとめ:経営者の責任は“情報の継承”にもある

経営者が突然いなくなった時に会社が動かなくなるのは、
社員にとっても、取引先にとっても大きな損失です。

デジタル資産の整理は、
会社・家族・地域を守るための大切な経営判断です。

まずは小さな一歩から。
今日から取り組むことで、会社の未来は確実に安定します。

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